第71回日本自律神経学会総会

会長挨拶

第71回日本自律神経学会総会の開催にあたって

第71回日本自律神経学会総会
会長 荒木 信夫
埼玉医科大学 神経内科 教授

 第71回日本自律神経学会総会を2018年10月25日(木曜日)・26日(金曜日)の2日間、さいたま新都心のラフレさいたまにおいて開催させていただくことになりました。
 本学会は、自律神経に関する研究および検査法を確立することを目的として、1956年に国際自律神経研究会日本支部会として発足し、1973年以降は、「日本自律神経学会」と名称変更して今日に至っております。実に今年で61年の歴史を誇る最も伝統ある学会の一つです。日本医学会および一般社団法人日本医学会連合にも参加しており、2012年に発足した日本脳科学関連学会連合にも加わっております。
 本学会は、真に学際的な研究発表と意見交換の場としての役割をもつと同時に、自律神経系の働きの様々な障害に悩まれる方々の診療とその治療法の開発、人材育成(自律神経系に関わる教育)、社会啓蒙などにおいても、積極的に活動しております。これらの役割を実現するために本学会には様々な委員会を設けて体制を整えております。
 このような学会の総会を開催させていただくことは、当大学にとりまして極めて光栄なことであり、スタッフ一同、心を込めて準備をすすめてまいる所存です。
 自律神経系は、内臓諸器官とともに、全身の血管、汗腺にも分布し、内臓諸器官の機能調節、血圧の調節、体温の調節を行っている極めて重要な神経系であります。そのため、その研究分野は非常に多くの領域にわたっています。現在の自律神経学の最も重要な研究対象は、それらの活動を統合的に制御する中枢性の制御機構であるといえます。基礎医学の立場からは、生体の機能を全体的に統合する自律神経機構の先端的研究が世界的に進められており、それは脳科学・神経科学の分野でも重要な領域となっています。このように多くの器官に関わる自律神経系の研究は、基礎医学から臨床医学の広い分野に及びます。また、臨床医学においても、神経学、消化器病学、循環器病学、内分泌代謝学、泌尿器科学、眼科学など様々な学問領域にまたがります。そして西洋医学だけでなく、東洋医学(漢方、鍼灸)にも関連し、さらに生物学、薬学、心理学、体育学などを含んだ生命科学の広い領域とも密接に関係しております。そこで、この度の総会のテーマは、「広げよう 自律神経研究の世界」とし、あらゆる分野の方々に本学会に参画していただき、自律神経の研究を進めていくことが大きな目標となっています。本総会におきましては、特別講演、多くの分野のシンポジウム、教育講演などを企画いたします。本総会において、様々な分野の成果における発表や議論が活発に行われることを期待しております。
 自律神経学のさらなる発展に向けて、多くの方々のご参加をお待ちしております。

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